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アルジェリアの旅(33) 世界遺産ムザブの谷

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2015年3月21日(土)
【世界遺産ムザブの谷】  
①ガルダイア市場 ②エル・アーティフ 村 ③ベニ・イスゲン村


  ▼ワルグラ→ムザブの谷・ガルダイア

   
◆◇◆世界遺産ムザブの谷
アルジェリア中部、アルジェから南に600km、サハラ砂漠の中に、ひっそりと、しかし美しい街並みの中で1000年の伝統を守って暮らす人々がいる。それが、「ムサブの谷」。その美しい都市景観と、伝統の暮らしが守られていることが評価され、1982年には、「ムザブの谷」の名でユネスコの世界遺産(文化遺産)として登録された。

「ムザブの谷」は、標高300mから800mの岩だらけの丘にガルダイア (Ghardaïa)、ベニ・イスゲン (Beni-Isguen)、エル・アーティフ(El-Ateuf)、メリカ (Mélika)、ブーヌーラ(Bounoura) の5つのオアシス都市が集まっており、さらに、北に少し離れた場所にベリアン(Berrian)とエル・ゲララ (El-Guerrara)を加えた連合体となっている。

 「ムザブの谷」は、元々のサハラの民ではなく、厳格なイスラム教イバーム派の教徒であったムザブ人が9世紀以降シーア派のファーティマ朝の軍の追撃・迫害を逃れ、安息の土地を求めてこの地にたどり着き、避難所として築いたオアシス集落が現在まで約1000年も続いている場所である。
禁欲的で厳粛なイスラム教イバーム派の教徒であるムザブ人の人々は、平等と保守的な精神が徹底されているため、家屋の色はベージュやブラウン系の色で彩られ、家屋の形状もキューブ状に統一されている。さらにモスクを中心として同心円状に整然と配置されている。この都市設計はル・コルビジェをはじめとする20世紀の建築家達にも大きな影響を与えた。

 18世紀以降、「ムザブの谷」は、ナツメヤシ、塩、象牙、武器、奴隷などの商品を扱うサハラ交易のキャラバンルートの拠点として発展した。男性は、アルジェやチュニスなどにも移り住み、商才を発揮した。

◆ムザブの谷の風景

▼ベニ・イスゲン (Beni-Isguen)

▼隣のメリカ (Mélika)

▼遠くにブーヌーラ(Bounoura)のミナッレト

▼ブーヌーラ(Bounoura)

▼ベニ・イスゲン (Beni-Isguen)

▼メリカ (Mélika)

▼コンクリートの堤防のあるムザブ川のワジ(涸れ谷)があるが、雨期の鉄砲水で洪水が起きるのを防いでいる。手前は共同墓地。

◆◆ガルダイアGhardaïaの市場とスーク
ムザブの谷の中心であるガルダイアは、丘の上のモスクを中心とし、淡いブルーやベージュピンクのキューブの家々が連なり、旧市街は10世紀頃の中世の建築様式がよく残されている。
広場ではアーチ型のアーケードの店や露天のスーク(市場)に人が溢れ、活気に満ちている。スークにはたくさんの衣服、絨毯、陶器など日用品が並び、野菜・果物、魚も売っている。肉屋には鶏肉や羊のほかにラクダ肉も売っている。




▼新鮮なトマト

▼地中海産であろう冷凍の魚

▼ガルダイアのスークへ

▼かわゆいですね。

▼広場にもどる。

▼ガルダイアの広場

◆ムザブの谷の集落・クサール内の観光ルール
世界遺産ムザブの谷の5つの集落(クサール)内はイスラム教イバーム派の教徒であるムザブ族の人々の伝統的な暮らしを守るため、観光客に対して様々なルールが決められている。

・イスラム教徒以外は公認ガイドが帯同する
・観光客のタバコ、飲酒、宿泊はNG
・建物以外の居住者(特に成人女性)の写真を撮ってはいけない 
・ノースリーブやショートパンツはNG

クサールに暮らす既婚女性は外出するときには白いチャドルを頭からかぶり、その隙間から片目を出すことしか許されない。誰かに話すことも話しかけられることもNG。
彼女たちは、観光客がが建物の写真を撮っていると、カメラのレンズを避けるために壁際に寄り、道を譲ってもらうと無言で通り過ぎていく。

             ▼ムザブの既婚女性の外出するときの白い正装

     ▼ムザブの女性たち


◆◆エル・アーティフ El-Ateuf村
エル・アーティフは、1013年に築かれたムザブ最古の町で、人口は1万2000人。






▼井戸と女性ファッション(部屋着)


▼エル・アーティフの墓地

▼祈祷所

▼12世紀に建てられたシディ・ブラヒム・モスク
このモスクは近代建築の三大巨匠に位置づけられているル・コルビュジエの代表作「ロンシャンの礼拝堂」に強い影響を与えたと言われている。





◆ブー・ヌーラ Bounoura村の遠望
高台からブー・ヌーラーの集落を望む。ナツメヤシ畑の奥に、ベージュ色の住宅が階段状に密集している。ブー・ヌーラーは1355年に造営された村で、5つのオアシスの中では、最後に誕生した。

▼ブーヌーラ(Bounoura)

◆◆ベニ・イスゲン Beni-Isguen村
ベニ・イスゲンは1321年にできた集落で、全長2.5Km、高さ3mの城壁に囲まれている。ベニ・イスゲンと、隣のメリカとの間は、切れ目なく住宅が続いている。
メリカ (Mélika)は13世紀に出来た。その後の人口増で、谷間にも人家が増え、2つの村の境界がわかりにくくなってきたという。メリカ村は治安状況が悪く、危険なため観光は中止となった。
まずベニ・イスゲンの雨水貯水システムから見学。

▼ベニ・イスゲン (Beni-Isguen)

▼隣のメリカ (Mélika)

▼ベニ・イスゲンの雨水貯水システム見学

▼ベニ・イスゲンの鉄砲水対策の防水用の壁

◆ベニ・イスゲン村入口

▼全長2.5Km、高さ3mの城壁



◆集落(クサール)内観光





▼1311年に造られた高さ18mの見張り塔。

▼ベニ・イスゲンの高台からの眺め①

▼ベニ・イスゲンの高台からの眺め②

今回は「ムザブの谷」観光のハイライト編でしたが、
次回から世界遺産ムザブの谷の集落(クサール)の様子をじっくりレポートします。


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